いい夢みてね

『いい夢見ろよ』は、古くは、『8時だよ全員集合』の最後で加藤茶さんが言っていた台詞。今では、柳沢慎吾さんが、コントの最後に言うフレーズです…たぶん幸せって『いい夢を見る』ような心理状態にあることではないでしょうか?あなたと私が、そうなれるような話題を探して行きたいと思います.

1月の読書メーター(読んだ本の数:10)

読んだページ数:2260、いただいたナイス数:957

ブッダ物語 (岩波ジュニア新書)ブッダ物語 (岩波ジュニア新書)感想
島田裕巳さんの『ブッダは実在しない』の次に読みました。書かれていることは、言い伝えに忠実であろうとするためか、まるで、おとぎ話のようで、リアリティに欠けるので、期せずして、ブッダは創られた教祖なのではないか?という疑念を強めるものでした。しかし、ブッダの教えが時代と共に創造・精製されたものであったとしても、私たちが追い求めるものは、命の炎が弱まるにつれて色あせて行くものであることは間違いありません。ブッダが残したとされる言葉の数々に思いを巡らせ、自らの答えを探す者は、ブッダの弟子と言えるのかもしれません。


読了日:01月27日 著者:中村 元,田辺 和子
坊主失格 (幻冬舎文庫)坊主失格 (幻冬舎文庫)感想
小池龍之介さんは、過去の悔やまれる行いを赤裸々に告白し、そんな自分を客観的に分析したうえで、そこから立ち直る過程を示しています。アマゾンのレビューを見ると、このような捨て身?の作戦は、概ね成功しているようで、好意的に受けれられています。この手の本には、上から目線で自説を述べ、まるで読者を叱責しているように感じるものもありますが、僕(私)の事じゃないよね、と思いたくなってしまいがちです。しかし『坊主失格』の場合は、僕(私)は、そこまでじゃないけど、と、読者にも、人生を見詰め直す切っ掛けを与えてくれています。
読了日:01月27日 著者:小池 龍之介


ブッダは実在しない (角川新書)ブッダは実在しない (角川新書)感想
この本の目的は、仏教という宗教の特徴を明らかにすることにある、とのことです。日本で定着しているのは、ブッダの没後に生まれた大乗仏教で、伝承に関った宗派の宗祖たちは、ブッダの存在すら知らなかった?という説は、葬式仏教しか知らない私のような人にとって、驚きだろう。島田裕巳さんは、様々な資料を読み解き「ブッダは実在しない」と考えた方が自然だ、と説いた後で「仏教は、つねに発展を続けていく宗教であり、開かれた宗教なのである。」と締めくくっている。仏教は、破滅に向かう暴走列車のような世界を止めることができるだろうか?
読了日:01月26日 著者: 島田裕巳


お釈迦さまの脳科学 釈迦の教えを先端脳科学者はどう解くか? (小学館101新書)お釈迦さまの脳科学 釈迦の教えを先端脳科学者はどう解くか? (小学館101新書)感想
苫米地さんは、あとがきに「仏教は戦争を引き起こさない数少ない宗教。仏教徒にならずとも世界中の人々が仏教的な思想を理解することで、戦争をなくすことができるはずです。」と書いています。私も、遅ればせながら仏教を学ぶ過程で、同じような思いを持ちました。この本は、お釈迦さまが、悟りを開いたと言われている2500年前から現代まで、仏教がどのように伝わり変化してきたのかという道筋について、全体を高い視点から広い視野で客観的に見渡す機会を与えてくれる内容です。絶対的な価値がひとつしかないという考えは、もうやめましょう。
読了日:01月26日 著者:苫米地 英人


ひきこもりはなぜ「治る」のか?―精神分析的アプローチ (ちくま文庫)ひきこもりはなぜ「治る」のか?―精神分析的アプローチ (ちくま文庫)感想
>人は誰しも、生きていくうえで「自己愛」を必要とします…「自分は自分である」という当たり前の感覚、これが自己愛です。行動や考えの出発点に「自分」があること、これも自己愛です…他者への愛情も、思いやりも、犠牲的精神も、その出発点はすべて自己愛です……。最近わかったことですが、私は結構ひとみしりです。好きな人と嫌いな人とのギャップが激しいのです。好きな人は、自分の自己愛を満たしてくれる人です。自信を与え、プライドを支えてくれる人です。嫌いな人は、根拠を感じない自信を持ち、プライドのために人を利用する人です。
読了日:01月19日 著者:斎藤 環


知的な老い方 (だいわ文庫 E 289-4)知的な老い方 (だいわ文庫 E 289-4)感想
外山滋比古(とやましげひこ)先生といえば『思考の整理学』いくつかの大学で教鞭をとられ、文学博士でもある先生が、定年二年前に二つ目の学校をやめることにした理由が、まさか「どうもうまく教えられなかった。学生からも本当に尊敬されていないことをいつも感じていた。心おどらせる経験というものがほとんどない。学校に行くのが億劫になってくる。これはよくない。そう思ったから」と書かれていることが意外でした。それでも、現在の先生があるのは、やはり凡人とは違う考え方と行動力、そして、それを支える人徳があったからと思える話です。
読了日:01月13日 著者:外山 滋比古


禅の教えに学ぶ 捨てる習慣と軽やかな人生 (朝日文庫)禅の教えに学ぶ 捨てる習慣と軽やかな人生 (朝日文庫)感想
枡野 俊明さんの著書を読むのは『手放すほど、豊かになる』’17/12『おだやかに、シンプルに生きる』『人生をシンプルにする 禅の言葉』’18/11/『美しい「所作」が教えてくれる幸せの基本 』’18/12に続いて5冊目。書かれていることの根底に流れる思想は同じなのですけど、積み重ねることによって、頭で理解するという段階から、心に染みる段階へ少しだけ近づけたような気がします。私たち一人ひとりに与えられた時間は、短いのかもしれませんけど、それを最も有効に使うためには、なによりも丁寧に生きるということなのです。
読了日:01月13日 著者:枡野俊明


シンプルを極めるシンプルを極める感想
『シンプルに生きる』と同時に手に入れたはず?の『シンプルを極める』でしたが、続けて読み始めた時は、気分が乗らず、長らく積読になっていました。先日、ひょんなことから再び読み始めると「あれ?これって仏教の本だっけ?」と、戸惑うような話でしたので、改めて著者であるドミニック・ローホーさんの経歴を確認したところ、愛知尼僧堂と呼ばれる禅寺に6週間籠り、曹洞宗を学んだことがあるとのこと…そうです、この本は、元々、フランスに仏教や禅の思想を紹介するためのもので、それが和訳・逆輸入されたと言っても良い内容だったのです。
読了日:01月12日 著者:ドミニック・ローホー


知っておきたい日本の仏教 (角川ソフィア文庫)知っておきたい日本の仏教 (角川ソフィア文庫)感想
多くの日本人にとって、仏教との接点は、葬式だけだと思います。従って仏教についての知識は、お坊さんから授かるわけです。そこでは、本来の思想や哲学よりも、人づてに知った常識?にとらわれてしまうことが多いのではないかと思います。しかし、紀元前6世紀にガウタマ・シッダールタがひらいた仏教がどのような歴史を経て現在に在るのかを知るためには、学術的とは言わないまでも、歴史を俯瞰的に眺める必要があるでしょう。この本は、古代インドから中国を経由して日本に伝わり、様々な事情のなかで、盛衰を繰り返す様を眺めることができます。
読了日:01月05日 著者:武光 誠


正義という名の凶器 (ベスト新書)正義という名の凶器 (ベスト新書)感想
凶器になりかねない正義とは、自己に対して客観的ではない特定の集団、あるいは個人的な価値観に支えられた行動原則だと思います。誤解を恐れずに言えば、何らかの原理主義とも考えられます。凶器になりかねない正義とは、そのような価値観を持つ特定の集団や個人によって行使されます。インターネット社会においては、そのような行為が仮面を被った状態で行われ、そこに"はやしたてる観衆"や"傍観者"も加わって拍車がかかりやすくなります。"観衆"の調査能力は驚くべきもので、加害者のプライベートは暴かれ、家族も連帯責任を負わされます。
読了日:01月01日 著者:片田 珠美

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